Description

1972年式のファイアーバード・トランザムが入庫致しました。

　1969年にファイヤーバードの上級グレードとして販売されたトランザムは、1970年に第二世代に交代、エンジンは当初はラムエアエンジンと呼ばれる6.6Lのタイプが1970年製トランザムまで搭載されましたが、翌年71年にはビックブロックと呼ばれる7.5ｌエンジンが登場。ボデイーのデザインも大きく変わり、同じくＧＭのカマロと共通のボデイーを持ち、人気を二分しました。ファイアーバードはベースグレード以外にエスプリ、フォーミュラ400、そして最上級車種にトランザムという4タイプが存在しそれぞれのグレードによりスタイルや装備に大きな差がありました。

　1972年式のモデルから7.5ｌ／455HOと呼ばれるハイパワーエンジンがオプションとして加わり、当車両もその455HOエンジンをオリジナルとして搭載されたレアな1台。そのOHV・ｖ型／8気筒エンジンは、ホーリー製4バレルキャブレターを介して300馬力、トルクは50KGを超えるパフォーマンスを有して強大なトルクを生かし、いとも簡単にホイールスピンを誘発するほどのパワーはこのクルマの強烈な個性をいっそう際立たせています。外観はポーラーホワイトで仕上げられておりインテリアの明るいブルーとの鮮やかなコントラストは大胆で清潔感のある印象を引き立てています。

　その他の特徴では、機能的でエンジンへの吸気量が向上した「シェイカー」と呼ばれるフードスクープを採用。そこには誇らしげに455HOのデカールに、加えて前後の空力スポイラー、そしてトランザム独特のブルーのストライプがあります。オハイオ州ノーウッドの組立工場で生産されたこの車は、マッスルカー時代の全盛期の性能とスタイルを融合させた、ポンティアックの強烈な個性が反映されています。その希少性と独特な構成により、今日ではコレクターズアイテムとしてアメリカのみならず世界的にも非常に高い人気があります。

　足回りは前後のスタビライザーにより強化されたサスペンションを採用。フロント・リア共に235/70R-15グッドリッチ・ラジアルタイヤを装着、そのステアフィールも意外にシャープでクイック、フロントディスクとリアドラムブレーキもパワーアシストされており高速走行や長距離ドライブでも不安なく快適に走れます。勿論、アメ車らしくパワーステアリング、クーラー、ATミッションによりとても50年以上経過したクラッシックカーとは思えない位の快適さも持ち合わせています。

　1972年はノーウッドの組み立て工場がストライキの影響で10月で閉鎖され、勢いトランザムの生産台数は振るわず、僅か1286台しか製造されませんでした。中でも455HOエンジン搭載のAT仕様となれば、その数828台しか作られていません。大量生産が当たり前のアメリカ車の中では、72年のトランザム自体がウルトラレアーな存在と言っても過言ではないでしょう。

　今後、2度と入庫できるか判らない貴重なトランザム455HO。ご興味がる方は、どうぞお早めにご覧ください。