Description

ポルシェ911カレラ3.2が入庫致しました。
　
　1984年にモデルチェンジした930シリーズは、エンジンのパワーアップとともに各部のリファインを受け、通称カレラ3.2と呼ばれ、シリーズ中最も信頼性に定評があり維持易いポルシェ911と言えます。近年、世界中で空冷ブームが高まり、このカレラ3.2もクラッシックポルシェとしての価値が徐々に高まってきています。当車両は1985年に製造されたクルマで、カレラ3.2としては比較的前期のモデルになります。

　エンジンはLEジェトロニックインジェクションを装備して5900回転で231馬力。パワー・トルクも充分で非常に扱いやすいエンジンです。最高速度も240キロに迫る勢いで、現在でもこのカレラ3.2に乗ってみると動力性能には全く不満は感じません。現行の水冷エンジンとは一味もふた味も違う、空冷エンジン独特のサウンドとフィーリングはとてもエキサイティングでドライブする楽しさにあふれています。

　室内は、シートはバーガンデイのレザーと布とのコンビ。勿論、パワーウインドーやクーラー、サンルーフも備えています。ダッシュパネルもクラックなど見当たりません。多少の使用感はありますが、当分はこのままでも良い状態です。オリジナルのステアリングは4本スポークのタイプ。大人4人がなんとか乗れるスペースを持ちますが、実際は2人乗りのクーペといえます。視界も良好で、長距離を運転していても不思議に疲れないのは、基本設計が優れておりパッケージングが素晴らしいからだと言えます。それは最新の911でも、大きく変わっていない事が証明しています。

　当車両は1985年に三ツ和自動車にて正規輸入された１台。以後、歴代のオーナーが大切にしてきたクルマで、現時点でもボディーそのものも傷んでおらず、大きなダメージの痕跡もありません。フロアの錆や各部の腐食も勿論ありません。OHされたエンジンは気持ちよく回り、勿論オイル漏れもありません。
　ブレーキのタッチも良好、直進性も素晴らしい。操舵感は若干手応えを感じるものの、非常にコントローラブルなタッチをもつ。ナロー911シリーズのような緊張感やダイレクト感は薄らぎますが、今のレベルで考えれば、フラット6エンジンが奏でる独特の排気音や鋭い回転上昇など、これはまごう事無き空冷ポルシェであり、充分楽しさが味わえる911です。

　現在、日本国内でもオリジナル度の高いカレラ3.2を購入するのは難しい状況になりました。何と言っても今までが評価が低すぎたという事になるのでしょうか。改造されたり、サーキット走行などにも使われたものやボデイーに大きなダメージを受けたクルマなどより車選びがシビアになってきました。当車両は希少なガーネットメタリックという魅力的なカラーを持ち、インテリアは圧倒的に黒を基調にしたクルマが多い中、統一感のある色調をチョイスされており、より他の911カレラと比較して大きな魅力を持つ1台となっています。

　是非そのコンデションの良さを、その目で確かめて見て下さい。